復興 #2 / 帰ってこない人
ああ「帰らぬ人」みたいな意味ではなくって、まぁそれもそうなんだろうけど家があったところで親子が遊んでた。
後で聴いたんだけど「あそこら辺、人いないでしょ。」って言ってた。
確かに人気がなくって、かといって波の音も車の音も…まぁちょっとはしてたかなw
堤防を作ってるからダンプはひっきりなしに走ってたけどね。
ええと、それでさっきの親子達は後で戻ってきてみたらなんもなくなった所にプレハブの事務所みたいのが建ってて、そこでなんか仕事してたな。
ううんと、なんだっけ、そうそう帰ってこない人の話ね。
浜風商店街で聴いたんだけど、仮設住宅に住んでる人もまだいっぱいいて、それでいわき市内とかに引っ越しちゃうと便利だし、やっぱこの田舎町には帰って来にくいんだそうだ。
で、それは何かと言いますと、人がいなけりゃ町として成り立たないでしょ。
いやぁもっと過疎が進んでるところってのもあるんだろうけどさ。
そうじゃなくってこの数年でガラっと変わっちゃったわけだよね、生活が。
家とかが元に戻ったとしても、それまでの生活には戻れないだろうってことはわかってるんだろうな、住んでる人達は。
電車はいわきから1時間に1本。
次ぎの次の駅「広野」までは通ってるけど、その先は原発。
今はバスも通ってないから「日帰りで電車で来ましたー」っていったら珍しがられた。
いや、珍しがられるか、逆に面白半分でそういった人が意外といるのか…と思ってたけど、まぁいませんでしたな。
瓦礫にぽっつーん。って感じだったし。
ただこっちの人は本当すれ違うだけでだいたい挨拶してくれて、そういうの嬉しいよね。