アレが僕の勘を研ぎ澄ます重要なファクター / Bessa L × elmar35
ファインダーレス距離計非連動カメラの「ベッサL」
コシナがフォクトレンダーを名乗り出して最初のRFカメラなんだけど、距離計連動してないのでもはやレンジファインダーでもなんでもないのだ。
コシナの一眼ボディーから作ってるので作りはしっかり、だけど外装はプラスチックと安っこいゴムなのでなんていうかエントリーAF一眼みたいな趣。
距離計に連動しなくても大丈夫な超広角レンズが発売当初から一緒に売られたらしいその1つがスーパーワイドヘリアー15mmでもう一つがスナップショットスコパー25mm。
でもちょうどバルナックが入院していた頃、僕はエルマーが使いたかったのでしょうが無くこのボディーに装着してみたんだけれども、辺りは夜の帳。
絞り全開でもF3.5。フィルムはISO800。
そんな時「大口径目測ハーフカメラ」で鍛えた目測感が生きてくるのだ。
その代表が「ヤシカハーフ17」や「ハーフ14」で露出計連動のプログラムシフト式AEを搭載しているにも関わらず距離は目測。
接近してくると距離計に0.8 0.9 1.0 1.2…といった小刻みな距離が書かれているのだ。
この2機種のあとに「ヤシカエレクトロ」で距離計に連動するようになったんだけど、まぁとにかくそれらの伝説の目測カメラのおかげで目測感には自信があった(といってもこの自信は5枚に1枚くらいの可能性って程度)ので、この時も「むしろ3.5ならば深い」と読み撮ってみたのだった。
この緊張感が良い。
距離・明るさ・構図、、すべて勘。
勘だけで撮ってうまく撮れてるとちょっと嬉しいんだけどそれはもうスポーツ的な嬉しさだよね。
「次は外角低めにカーブ」と読んで振り抜いたら当たったとかそういう感覚。
そんでここ最近ベッサLで「牛丼肉抜き」のような状態で勘だけで撮ってみてるんだけど、案外楽しくって「隠し撮る」為ではなくその「勘」で撮るというのが楽しいのだ。
そしてこんな時にトイカメラ野郎であった時の「勘で撮る」が生きてくるのだったりして。
ただしこれをデジカメでやると急につまらなくなってくる。
際限なく撮れると思うと緊張感が急になくなるから。
「じゃあ容量が少ないSDカードで撮ればいいじゃん」と言われた僕は
「だってSDカードはなくしちゃうもーん」と苦し紛れの言い訳をしたのだが、実際には「あーこれとこれは消しちゃえ」というデジタルならではの「失敗は消す」ということを我慢するほどの精神力は持ち合わせていないのです。
だからあの「せっかく現像したのにほとんどまともに撮れていない」というアレが僕の勘を研ぎ澄ます重要なファクターなのです。
あ、ちなみにこの隣でケイスケさんがレンズ交換してました。