ぶらフォト 四つ木 沈胴アンダーミリオンズミクロン編
まず二つ説明しておかねばならないのが「四つ木」と「沈胴アンダーミリオンズミクロン」。
「四つ木」は葛飾区の地名で工場が多い位で何もない。
堀切にはギリギリ菖蒲園や堀切ジャンクションがあるが、四つ木はなんもない。
次に「沈胴アンダーミリオンズミクロン」。
「沈胴」は鏡胴が沈み込むタイプのズミクロンで最初期のもの。
エルマー → ヘクトール → ズマー → ズミター と進化をしてきたライツの50ミリはズミクロンで一反の完成を見せる。
ただその後コントラスト重視設計になっていくライツレンズにあって、この初期型ズミクロンに関しては解像度を重視していた。
さらに「アンダーミリオン」と呼ばれるナンバリングが100万番より低い沈胴ズミクロンはアンダーミリオンと呼ばれ、レンズがいわゆる「アトムレンズ」になっている。
そう、放射能が発生しているのだ!
と、なんとなく言い切りの形で書いてみたんだけれども、どう?かっこいい?
そんなこんなで少し溜まった写真を一気に放出。
昨年の暮れ、寒い雨の降る中トボトボとあるいた四つ木。
そもそもクラシカルでオールドなレンズを真面目に撮る時は、寒い冬の雨の日に1人で歩くに限る。
写真にも哀愁がのってくるからなのは言うまでもないよね。
50ミリをとかく標準と謳ってきた僕ですが、最近では50ミリは少し長く(望遠に)感じるようにもなってきました。それは背景との関係性。
50ミリは背景を入れ込む余裕がない(厳密には切り取る部分の正確な背景しか入らない)ので「切り撮る」形がベストだと感じたからです。
さて、話は少しレンズに戻ってこのアンダーミリオン。
実際に目視ではシャープカットフィルターでいう所のY1位の薄い黄色です。
370nmくらいからカットしてくれるんじゃないかというのが所感ですが、2つ上の車。何色かわかりますか??
はい、ブルーです。
若干の効果はあるはずです。ただし「おお!」と普通の人が感じるまでには至りません。
ただカラーで撮ったらそれなりに黄色みがでるんじゃないでしょうか。
この沈胴ズミクロンですが、やはりエルマーから続く系譜の中ではとにかく「切れ」ます。
鉛筆に「H」「B」「F」という種類がありますけど、あれの「F」みたいな感じです。
ちなみに「B・HB・F・H」って感じでFは「しっかりした」という意味のようです。
50ミリのクラシックレンズは、こうして身近なものを切り取った時に一番効果的なんじゃないかと思います。効果的というのはレンズの味わいが充分に引き出されるという意味です。
だからこのズミクロンは旅行に連れて行くというよりは、近所の知っているところを切り取るのが楽しいレンズと感じました。味わいのあるものを見つけたら開放からちょっと絞って撮るとズミクロンは被写体の魅力を引き出してくれます。
とか、ヨドバシのレンズのレビューみたいな風に書いてやった。
http://rangefinder.yodobashi.com/index.html