スナップ #26
アンリブレッソンの180枚に及ぶ写真集の最後に「LEICA/Elmar5cm」と書いてあったとか。
それだけの力が50ミリレンズにはあるはずなんだけれども、最近は少し広角レンズの迫力とパースペクティブにかまけて50ミリが若干苦手になりつつある。
なのにこのエルマーで撮ったフィルムには結構気にいる写真が多いのは不思議なことだ。
50ミリレンズはとにかく撮影が忙しくなる。
広角レンズはピント合わせがいらないこともあってテンポよく撮影ができるんだけども、それだけに何でもかんでも撮ってしまう傾向がある。
細かな露出の調整もおろそかになりがち。
望遠レンズは足を使うことを忘れる。
長いレンズはスタンスが取れないシチュエーションでのみ使っていきたい。
標準レンズはいそがしい。
ピント・露出・構図の基本ができていないと途端に薄っぺらい写真が出来てしまう。
更に言えば、だからといってじっくりと被写体に向き合ってはいけない。
それは「じっくりと向き合った写真」になるから。それをやりたいわけじゃない。
そういう意味で50ミリレンズはとにかく緊張感が高い。
だからこそ集中しているのか、結果的には気にいる写真も多くなるみたい。