ブラ○モトシ 坂道編 vol.7 港区 道源寺坂
東京都港区六本木1丁目4番地
南北線六本木一丁目駅3番出入り口の未来的エントランスを出て右に一回り。
唐突に、辺りに似つかわしくない空間が姿を現します。
坂下の西光寺から坂上の道源寺までを結ぶ坂道源寺坂を今回は上ってみました。
まずは現代図を
マップを拡大するとわかるように、場所はちょうど首都高速谷町ジャンクションの真下辺り。
坂下から上の道源寺まではわずか数十メートル。
この数歩の間に江戸情緒を感じられる希有な坂と言っていいでしょう。
坂上の道源寺は1624年創建の古刹。江戸開府以来この坂は道源寺坂(道源坂)と呼ばれていたそうです。
戦災を免れたのであろう巨木と近代的な巨大ビル群。
なにかここだけが時間にひっそりと取り残された感じがします。
では古地図を見てみましょう。
東を上にしてみた様子。
東西に高台が広がり、ちょうど窪地になったこの辺りを「谷町」と呼んでいました。
高台には各大名の屋敷が広がり、谷あいには寺社や町家が立ち並んでいたことがわかります。
道源寺付近と現在のランドマークを拡大してみました。
辺りの様子はまったく変わっているのに、この道源寺坂だけは今も変わらずにその形を残しています。
大正9年、この地に移り住んだ永井荷風は銀座や下町に出かける際は、わざわざこの坂を選んで下ったそうです。
その時に詠んだ句が
「梅が香や木魚しずかに竹の奥」
つま先に力を入れる程ではないが、すこし踏みしめなければいけない位の坂。
ゆっくりと下っていく数メートルの間に感じる風情。
別の季節にもぜひ訪れたい良坂です。
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↑今回のブラ○モトシいかがでしたか!?実際には荷風先生のように優雅に坂に接したというより、坂下で買ったスポーツドリンクが坂上ではもう空になっていた。という位の猛暑!ぜひ梅の季節に再訪したと思います。